KEebidan’s diary

EBiDANオタクによる戯言ブログ。現在はM!LK一強。ZeBRA☆STAR大好きでした。

原因は自分にある。2ndアルバム「虚像と実像」感想~つくづく運営とは気が合わないなと思った作品でした~

 

 

 

 

12月8日、原因は自分にあるが2ndアルバム「虚像と実像」をリリースしました。

今年の1月13日に1stアルバム「多世界解釈」をリリースし、その後4個の配信シングルをリリースした後での、今回のリリース。

配信でリリースされた4曲に加えて、6曲の新曲を収録してリリースされると発表されたときは、ここ最近の原因は自分にある。が出している曲たちを鑑みると、正直期待より不安のほうが大きかったです。

 

メンバーの大倉空人くんと小泉光咲くんも、発売前のラジオでアルバムのことを話していましたが↓

audee.jp

「原因は自分にある。の『メイン』が詰まった作品」「『多世界解釈』はいろんな僕らが見せられた作品だったけど、今回は原因は自分にあるの表題曲のようなものが詰まっている」

このように語られていました。

はっきり言って、「多世界解釈」を「いろんな僕らが見せられた」とか言ってる時点で…と思いましたし*1、これは、本当に似たような曲が10曲並べられてるだけの作品なんだろうな…と落胆しましたね。

M!LKの3rdアルバムのように一貫したテーマやストーリー性があるとかでそれならまだいいですが*2、そういうわけでもなさそうだし…

 

とまあ、最初からあんまり期待せずに買ったアルバムではありました。

それで、いざ聴いてみてどう思ったかというと。

まあ悪い意味で予想通りの作品でしたね。

いや、予想以上に最悪なところすらあった。

 

というわけで、ここからはもう少し掘り下げてこのアルバムの感想を語りたいと思います。(かなり辛口なので、見たくない方はブラウザバック)

 

 

 

 

 

まず、このアルバムは発売前から一部の新曲が先行公開されていました。

「半分相逢傘」「黄昏よりも早く疾走れ」です。

おそらく今回のリード曲はこの2曲なんでしょうが、この2曲からしてあんまり良くない

 

「黄昏よりも早く疾走れ」は、まあ所謂疾走感ロックですよね。

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特別悪くはないんだけども、原因は自分にある。が出すにしては特段曲調に面白みがないDISH//とかM!LKとかが出してたら素直に褒めてたかもしれないけども、原因は自分にある。がわざわざこんな曲出さなくてもいいだろって感じ。

そんなこと言ったら今までのカップリング曲とか普通のポップ曲だっただろと突っ込まれそうですが、この曲の性質悪いところは、歌詞は「最近の原因は自分にある。らしさ」全開なところなんですよね。(ちなみに、私はこの「最近の原因は自分にある。らしさ」が嫌いです。それについては後述)

「ジュトゥブ」や「時速3km」みたいに、曲調も歌詞も王道アイドルに振り切ってるわけじゃないんですよ。こんな普通な曲調ならいっそのこと歌詞もそっち系に振り切ればいいのに、そうしないあたり中途半端に感じてしまって残念なんです。まあリード曲にする曲ですからそうならないのは当たり前かもしれませんけどね。

 

この曲っていつもお世話になっている久下真音さんではなく、みきとPさんという新しい方にご提供いただいた曲らしいですが、はっきり言ってわざわざ久下さんを避けてまで頼む価値あった方か?と、この曲を聴いたときは思いました。久下さんもこのくらいの曲は書けそうだし。

でも、みきとPさん、こんな面白い曲を書いている方でもあるんですよね。↓

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メンバーの武藤潤くんが歌ってみた動画を投稿していたので聴いてみましたが、この「ロキ」という曲は素直に面白いと思いました。

私はみきとPさんに関しては興味もないので調べていませんし、よく知りませんが、こんなに面白い曲が書けるんだったら、この感性に任せて曲作っていただいたほうが良かったんじゃないのか?と思ったり。

運営がどの程度口出しして書いてもらったかわからないけども、正直運営が事細かに要望出して書いてもらったとしか思えない出来なんですよね、「黄昏よりも早く疾走れ」は。

もしそうだとしたら、本当に作曲家の無駄遣い

別に、「事細かに要望出して書いてもらう」こと自体はいいんですよ。M!LK運営とかZeBRA☆STAR運営くらい、どういう曲にすればメンバーの魅力を最大限引き出せるか、そのグループらしさとは何かを根本からちゃんと理解しているなら、ですが。それができていない運営がやるから問題なんです。

運営が良いと過信している「最近の原因は自分にある。らしさ」全開にするなら、それこそいつもの久下さんに頼めばいい話なのに。何のために違う作曲家さんにお願いしているのか、その意義を理解していなさそうだから心配になります。

 

 

でも、これでもまだ良いほうだったりするんですよね。

「半分相逢傘」が最低すぎる曲だから。

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気持ち悪すぎ。

曲(特に歌詞)も気持ち悪いしMVも気持ち悪い。

この曲のことは色っぽい、大人っぽいと評している人が多いけども、あの、これはただの下品な曲です。アイドルが出すような曲じゃないでしょ。

歌詞は良くない、MVも良くない、曲調も特別面白くもない。この曲も久下さんではなく、全然違う方が書いた曲らしいですが、正直言って「この曲は久下さんが書きました」って言われても違和感抱かないくらいには、代わり映えのない曲調。これもまた久下さん以外の人わざわざ探して書かせた意味あるか?って感じの曲だし、どこにも褒められる要素がない。

こんな曲はそもそもカップリングとして出されてたとしても作品の評価を下げる曲になるんですけど、これを出すだけじゃなくてリード曲にするとか運営はどんな神経してるの?と思ってしまいましたね。

え、運営は原因は自分にある。を気持ち悪いメンヘラグループにしたいんですか?

 

 

でも、ここ最近の原因は自分にある。の曲は、この曲ほど下品な曲は他にはないにしても、変なメンヘラ感がすごい曲が多いような気はしてるんですよね。

今回のアルバムでも収録されている「犬と猫とミルクにシュガー」「豪雨」とかまさにそれだった。

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そして、それが「最近の原因は自分にある。らしさ」になっているところがあって、それが私は嫌いなんです。

でも、最近の運営は「原因は自分にある。らしさとは、現実に抗うメンヘラ感である」と勘違いしてるところがあるから、今回のアルバムはそういう曲が集まった作品になってしまったんですよね。

「灼けゆく青」も曲調は面白いけど内容はまあメンヘラだし。

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そもそも原因は自分にある。ってそんなメンヘラっぽいグループでしたっけ?

初期曲である「原因は自分にある。」とか「嗜好に関する世論調査」とか聴いていると、若干メンヘラっぽさはたしかに感じなくはないけど、それ以上に言葉遊び的な面白さとかキャッチーさとか、そのあたりほうが強かったと思うんですよね。

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いや、メンヘラっぽく感じる部分も実はメンヘラではない

この2曲の歌詞は、普通の人だったらそこまで深く哲学的に考えないことを、あえて難しく考えて言葉にして並べ立てているんですよね。

それがちょっとメンヘラっぽく感じるところはあるんだけども、実のところは「そんな深く考えることでもないこと何深く考えているんだろうこの人」って思われるような、変人っぽい表現がなされているんです。

つまり、そもそもの原因は自分にある。らしさとは何なのかと言ったら、究極のトンチキなんですよ。

 

原因は自分にある。がトンチキ?いやいや何言ってるの、と思われるかもしれません。

EBiDANでトンチキといえば超特急や昔のDISH//、M!LKのイメージが強いと思いますが、彼らが表現していた「トンチキ」って、わかりやすくバカっぽい、ギャグっぽい感じなんですよね。それが面白い、トンチキと評されているわけで。

しかし原因は自分にある。の場合、難しい言葉を並べているわ、表情もシリアスなことが多いわで、一見バカっぽくはないんです。でも、普通だったらそんな深く考えないようなことに対してわざわざ難しい言い回しで歌ってて、「何言ってるんだろうこの人(笑)」みたいな感じの面白さがあって、逆にギャグみたいな曲になってるんですよね。つまり、新手のトンチキというわけです。

それこそがそもそもの原因は自分にある。の面白さであり、良さなんです。

 

少なくとも、「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」を出した当時までの運営は、それを理解していたと思います。

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この曲は原因は自分にある。には珍しい明るい曲調の曲ですが、まさに上述した原因は自分にある。の良さが詰め込まれていますよね。

こんな切り口で恋愛を語るアイドルグループはなかなかいないでしょう。「相変わらず何言ってるかよくわからないけど、それが面白い」って感じの曲にも仕上がっていますよね。

 

 

こんなにちゃんと良い曲を作れていたのに、なぜか最近の原因は自分にある。は変な方向に行っているんですよね。

切なめな曲調にメンヘラっぽい歌詞をつければ原因は自分にある。らしい曲になると運営も勘違いしている。

最近の歌詞も哲学的っちゃ哲学的なのかもしれないけど、初期は日常のどうでもいいこととかピュアな恋愛とか、そういうのに対して切り込んでいたのに対して、最近は人間のドロドロした負の感情に対して切り込んでいるから、ただのメンヘラ感しか見えないんですよね。

もしかしてそれに気付いていないのかな…無自覚に変な路線変更しているのかもしれません。

 

 

 

話がアルバムの感想から盛大に逸れましたが、今回のアルバムは「半分相逢傘」や「黄昏よりも早く疾走れ」の他にも4つの新曲があるので、これらについても語りたいと思います。

 

1stアルバムの「多世界解釈」の場合、リード曲の「柘榴」と「スノウダンス」が微妙な曲で、先行公開されていなかった「夢に唄えば」と「ネバーエンドロール」が良曲というパターンだったので、今回の「J*O*K*E*R」「0to1の幻想」「夜夏」「藍色閃光」にもちょっとは期待したんですよ。

でもまあ…期待以上の曲は1つもありませんでしたね。それどころか斜め上から期待を裏切ってきた曲すらあった。

 

どの曲かというと、0to1の幻想」です。

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なんですか、このいかにも最近のSUPER★DRAGONとかONE N' ONLYが出しそうな曲は。

タイトルはそんなことないんですけど、曲の中身は完全にONE N' ONLYの曲なんですよね。別に原因は自分にある。が歌うからこその良さ的なものも特に感じないし。

これ聴いたときは「うん…何があった?」と思いましたね。まさかこのグループがこんなやらかしするとは思っていなかった。

こういう曲はこの1曲だけだったので、まだそうとも言い切れないとは思うんですけど、EBiDANはどんだけK-POP化させりゃ気が済むんだよと怒りが湧きましたね。

原因は自分にある。はEBiDANのK-POP化ムーブが激しかった時代にできた全く違う路線のグループで、そういう面でも期待が大きかったグループだから、彼らまでそんなことやられたらたまったもんじゃない。

これをきっかけにカップリングとかでこういう曲増やしていきますとか言ったら怒るぞ本当に。こういうのはこれきりにしてほしいです。

 

他の曲はまあ、そこまで酷い曲ってほどではないけども、「J*O*K*E*R」は「In the Nude」の二番煎じ感がすごいし

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「藍色閃光」は「幽かな夜の夢」と「ネバーエンドロール」を足して2で割った感すごいし

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「夜夏」はまあカップリングの名曲的な曲になりそうだなとは思うけど、カップリングらしい曲にするならもっと「ジュトゥブ」くらい振り切ってほしかったから惜しいなあ…と思ったし

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まあつまり、全体的に面白くないんですよね。

彼らのコンセプトであるはずのインパクト」がない。

 

ここまで面白くない曲ばかりだったら、まあたしかにリード曲は「黄昏よりも早く疾走れ」とか「半分相逢傘」にするだろうな、とも思えてしまう。これらの曲のほうがインパクトはまああるから。

 

今回の作品、いちばん好きな曲はあえて選ぶなら「藍色閃光」ですが、正直前作の「夢に唄えば」とか「ネバーエンドロール」を聴いたときほどの「好き!」って感じはありません。

音が綺麗だし、歌詞も励ましてくれる感じで普通に良い曲だなあとは思うけども、「夢に唄えば」を聴いたときほどの「なんだこのすごい曲は!?」感がまったくなかったし、「ネバーエンドロール」みたいな曲調爽やかなのに歌詞切ないギャップ萌えみたいなのもなく面白みはないし。

だから今回の作品は、面白くない曲か悪寒を覚えるような曲しかなかった、というのが全体的な感想です。

 

 

 

とりあえず原因は自分にある。運営に言いたいのは、初期の曲がなぜ良かったのかをもっとちゃんと考えて理解して?ってことですね。

なぜ「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」が原因は自分にある。の曲として成り立ったのかを、真面目に考えてほしい。

最近の運営の考え方だとおそらくこの曲は原因は自分にある。らしくない曲になりそうだけど、違うから!ちゃんと初期の原因は自分にある。らしさがしっかり詰まった曲だから!と…

 

いっそのことわかりやすいトンチキ曲出してもいいんじゃないですかね。

みきとPさんの「ロキ」みたいな曲、出したら面白いと思います。歌詞に売れないアーティストの自虐っぽい要素があって、こういうのを明るいメロディーに乗せてステージ上で堂々と歌ってたら面白そうだし。

それか、たとえばですが、今さらだけどグループ名にもある「原因」という言葉についてクソ真面目に考察するみたいな歌詞の曲を出すとか、絶対意味わからなすぎて面白い曲になりそうじゃないですか。

でもあんまりトンチキにしすぎても、それはそれでグループの世界観を壊してしまうかな…匙加減が難しそうなところではあるけども。

せっかく面白いコンセプトで始まったグループなのだから、ここで終わってほしくはないです。ただの「気持ち悪いメンヘラグループ」からは即脱却してほしい。

 

 

 

 

最後に、貶してばかりだったので、1つだけこの作品を聴いて良かったな、と思ったことをお話します。

小泉光咲くんの歌唱力の成長がすごかった。

特に「黄昏よりも早く疾走れ」の高音パートとか、「J*O*K*E*R」の「馬鹿みたいだ」の音の伸ばし方とか、表現力が凄まじくなっていて。

2ndシングル「嗜好に関する世論調査」のリリースイベントを見に行った時から思い始めてはいたけど、原因は自分にある。の「池田彪馬*3」みたいな存在になりつつあるなと。なんとなく、歌声の質感やボーカルとしての貫禄的にですが、今回の作品を聴いてますますそのような感じが強くなったなと思います。

BATTLE STREETとして活動し始めた頃は、歌パート全く与えられていませんでしたからね。当時から傍からですが見ていた身としては、エモいものもあります。

これに関しては、本当に素直にすごいなと思ったことだし、これからも彼には、いや他のメンバーもですが、精進してほしいなと思いました。

 

以上です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:だってそんなことなかったから。「多世界解釈」の感想は以前別記事で語っています→アルバムって難しいなと思った話。〜原因は自分にある。 1stアルバム「多世界解釈」感想〜 - KEebidan’s diary

*2:いや、M!LKの3rdアルバムは普通に多様性に富んだアルバムでしたけど

*3:SUPER★DRAGONの歌唱メンバー