KEebidan’s diary

EBiDANオタクによる戯言ブログ。現在はM!LK一強。ZeBRA☆STAR大好きでした。

M!LK 9thシングル「かすかに、君だった。」感想

  

 

7月17日、M!LKが9枚目のシングル*1「かすかに、君だった。」を発売しました。
オリコンウィークリーチャート4位獲得ということで、おめでとうございます。
このブログを開設して以降、M!LKは2ndアルバム「Time Capsule」も出しており、このCDの感想も何も書かなかったので書くつもりはなかったのですが、今回のシングル、思った以上に神CDでして。
感動した点もいくつもあり、これは書かなくてはと今キーボードを叩いています。

 

今回感想を書くにあたって、歌割りについても触れていきたいと思いますが、私の耳も正確ではなく、もしかすると本当に歌っているメンバーと違うメンバーが歌っていると勘違いしながら書いてしまう部分もあるかもしれませんが、そのあたりご承知の上読んでいただけると幸いです。
もし間違っている箇所があればコメントで教えていただけるとありがたいです。

 

 

 


それでは、まず今回の収録曲の紹介から始めていきます。

 

今回のシングルは3タイプ発売され、全タイプ合わせて4曲が以下の通り収録されました。
①「かすかに、君だった。」(全タイプ収録・表題曲)
②「TOUCH THE SUN」(Type-A収録・カップリング曲)
③「Gotta Get Up」(Type-B収録・カップリング曲)
④「MAGIC CARPET」(Type-C収録・カップリング曲)

 

表題曲以外全て英語表記の曲。これって初めてですよね。
8thシングル「Over The Storm」もカップリング曲の1つ「ハロー!」以外は全て英語の題名でしたし、5人時代よりかっこいい路線に行こうとしているなあ、という印象。
しかし、②③は希望に満ちあふれた感じのいい曲だろうと想像がつく題名なのに対し、④の謎さ。
え、どんな曲が来るの…?と、この題名を見ただけでは不思議な気分になるような感じがM!LK特有だなあとも思います。

 

 

 


ということで、早速ここから1曲ずつ実際に聴いてみた感想を書いていきます。

 

①「かすかに、君だった。」

YouTubeでMVも配信されているので、CD発売前から何度も聴いていたのだけれども。
王道的な爽やかな曲で、暑い夏にピッタリな曲。
メンバーは「あまりM!LKらしくない」とたびたび評していますが、王道アイドル的な曲調と弱っている人に寄り添うような優しい歌詞*2の融合と考えると、この曲はとてもM!LKらしいと私は思います。

また、この曲は明確に主人公と言えるメンバーが1人います山中柔太朗くんです。
今のM!LKの歌の主力は、吉田仁人くん、佐野勇斗くん、板垣瑞生くん、宮世琉弥くんの4人とされているように見え、実際基本的にこの4人に主要パートを割り振っていることが多いと思います。この曲も例外ではなく、柔太朗くん以外でソロパートを持っているのはこの4人だけです。
前作のリード曲である「My Treasure」も、やはりこの4人を中心にパートが割り振られており、塩﨑太智くん、曽野舜太くんもちょこちょこソロパートがありますが4人ほどは目立たず*3、柔太朗くんは裏メロディー的な短いソロパートがあっただけでかなり影が薄かった印象。
そんな前作を持ちつつの、柔太朗くんの今回のあの目立ちようです。1番2番ともに歌い出しのソロを任され、4人の歌の主力メンに引けを取らない活躍ぶり。
柔太朗くんの独特な透明感のある歌声には、暑い夏を一気に涼しくしてくれそうな爽やかさがあり、彼の歌声なくしてこの曲は完成しなかったと思います。
柔太朗くんのために作られた曲と言っても過言ではないなと。

ただ、そうやって柔太朗くんを目立たせ、歌の主力メン4人もいつものように目立たせた結果、太智くんと舜太くんの出番が目に見えて少なくなりすぎてしまったことに不満を持つファンも散見されます。
7人中5人に出番与えるならあと2人くらいどうにか出番作れよと…まあたしかに思っちゃいますね。
ただ、このあたりの不満はこの後感想を書くカップリング曲で解消されたな、と私は思えたので、この曲はあくまで柔太朗くんが主役として作られた曲、他にソロパートを持つ4人は普段から歌の主力で安定して歌えるから、いつもどおりソロパートをもらっただけ、と思えば納得はできると思いました。
曲調によるメンバー自身の得手不得手もあるでしょうし、2人の出る幕はここではないとされたのかもなあと。

 

 

②「TOUCH THE SUN」

これもまた夏にピッタリな爽やかな曲。イントロでギターの音が鳴る中風鈴の音が鳴るのがおしゃれで、涼しげです。
「かすかに、君だった。」には爽やかでありながら寄り添う優しさ、切なさというようなほの暗い要素もありましたが、この曲はそのようなほの暗さはなく、ひたすら明るく希望に満ちた曲で、同じ夏らしい爽やかな曲として、カップリング曲として表題曲とバランスを取った印象です。

また、他の3曲と比べてソロパートの割り振りがかなり平等にされているな、とも思います。
特に太智くんは意識して割り振られたのではないでしょうか。1番2番両方のAメロでソロパートを持っています。もうすぐメンバーカラーが変わるかもしれないというこの時に「青すぎるSKY 高く手を伸ばそう」というソロパートが太智くんに割り振られ、涙したのは私だけではないと思いたい。
また、ラストサビ前のCメロというかなり重要なパートを瑞生くんがほぼソロ*4で担当していますが、彼がここまで重要で長めのパートを1人で歌えるようになったんだなあ、と少し感動もしたり。
私の勝手なイメージですが、瑞生くんは声質がよくて表現力のあるタイプではあるものの、そのときによって調子にムラがあるため安定タイプではなく、ソロとしては長めの安定感が求められるパート*5を歌う安定歌唱メン的役割というよりは、ここぞというところで短めのインパクトあるパート*6を歌う飛び道具的役割のほうが向いているイメージがありました。
でも、7人体制になってからでしょうか、他のメンバーにはない自由な表現力はそのままに、安定感も身に着け始め、気づけばこんな長めのソロも歌えるようになったんだなあと…
この曲は明確にどのメンバーが主人公というものはないと思いますが、そういう意味では私の中でこの曲のMVPは太智くん、瑞生くんの2人かもしれません。

 

 

③「Gotta Get Up」

M!LK史上歌詞の内容が最小限に抑えられた曲と言えるものかなあと。
その分音楽の展開のしかたが面白くて、繰り返される「Gotta get up Gotta get up Gotta get up Yeah yeah yeah」という歌詞がとてもキャッチーです。
正直、最初にイントロを聴いたときは聞こえてきた電子系の音楽に「おや?」となりました。あんまり、電子系の音楽は無機質なイメージがあって好きでないので身構えたんですが。
AメロBメロを経て、サビでは一気に明るくなり、爽やかでキラキラした曲になったこの曲。上にも書いたキャッチーな歌詞もあり、曲が終わる頃には大好きになっていました。
今までになかった曲調で、新しい引き出しを開けつつ大人っぽさも出しつつ、アイドル的なキラキラ感も出した、アーティスト的であるけどちゃんとアイドルであるというようなこの曲を聴いて、M!LKもこんな曲を歌えるようになったか…成長したな…なんて思いました。

また、この曲は琉弥くんを主人公として作られたのではないかとも思いました。
この曲のパート構成は、1番2番共にAメロソロは琉弥→仁人、Bメロはおそらく勇斗くんと瑞生くんのデュエットです。そして、サビのソロパートは1番は琉弥→柔太朗、2番は太智→勇斗、ラストサビは舜太→瑞生→琉弥→仁人となっています。
だいたい平等なパート振りをされているものの、琉弥くんは歌い出しを担当している上、サビのソロパートを唯一2回受け持っています
琉弥くんはM!LKに加入したばかりの頃から歌の主力として扱われており、追加メンバーの中では間違いなくいちばんソロパートをもらっていると思いますが、一曲の中でここまで他のメンバーより目立つポイントを多くもらうことは、実は多くない気もします。だいたい琉弥くんより仁人くんや勇斗くんのほうが歌の見せ場が多く、なんだかんだ二番手三番手扱いが多いかなと。
そんな中出されたこの曲は、明らかに琉弥くんがいちばん見せ場を作られていて。元から歌の主力を務めているので「かすかに、君だった。」の柔太朗くんほどのインパクトはないと思いますが、琉弥くんの明るくて華やかな歌声がよく映える、最年少ながら垣間見える色気、大人っぽさを引き出した曲という印象を持ちました。

 


④「MAGIC CARPET」

最後にこの曲。ここまで爽やかな曲、大人っぽくてかっこいい曲とわりと真面目路線で来て最後に何が来るかと思えば…来ましたよトンチキ曲。好きです。
2ndアルバム「Time Capsule」に収録された「ジャングリズム」に似たような雰囲気の曲ですね。曲名の「MAGIC CARPET」つまり魔法の絨毯から連想される、某アラブの物語を思わせる音楽と歌詞、それに癖のある掛け声が合わさってとても面白く、盛り上がれる曲となっています。
インタビュー記事やラジオなどを聞いてもメンバーを含め各方面から大好評を得ており、下手すれば表題曲の「かすかに、君だった。」より好かれているのでは?とまで思えてしまうほど。コミカルな曲調と考えると、今回出た中でいちばんM!LKらしい曲かもしれません。

そして、「かすかに、君だった。」で主役を張っていた柔太朗くん、「Gotta Get Up」で主役を張っていた琉弥くん、この流れで次主役を張るべきメンバーは誰でしょうか。
そう、2人と同じ追加メンバーである舜太くんです。彼がこの曲の主人公だと言って間違いないと思います。
インタビュー記事で「大魔神シュンタ」というワードが出されました*7が、これはおそらくラストサビ前の高笑いの部分だと思います。実際聞いてみると舜太くんの声だとわかりますし、曲中最も印象的で目立つ部分です。ここを担当したのもとても大きいですが、それだけではありません。
舜太くんは、この曲では他のメンバーの誰よりもソロパートを多くもらっています

具体的にパート構成を書き出してみると、1番Aメロは舜太→太智→琉弥→瑞生、2番Aメロは柔太朗→仁人、2番Bメロは前半を舜太くんがソロで担当し、後半は一語句ずつのソロで琉弥→瑞生→舜太→勇斗と展開されます。そして、サビ中は柔太朗くんが掛け声のソロを担当しており、他にソロパートらしいソロパートは舜太くんの例の高笑いくらいでしょう。
舜太くんは歌い出しという重要なパートもソロで任されている上、2番Bメロ前半の少し印象的なソロ*8ももらっています。明らかに他のメンバーより見せ場が多いのもわかるでしょう。
「かすかに、君だった。」の柔太朗くんや「Gotta Get Up」の琉弥くんより、この曲の舜太くんのほうが主役度高い気さえします。
舜太くんってこんなに歌えるんだ…と驚かせてくれたというか、これを狙って振り切った感がありますね。舜太くんのパフォーマンスにおける器用さを生かしたと言いましょうか。

また、舜太くんに限らず、この曲は全体的にパート振りがとても面白いです。
歌い出しの舜太くんに続き、なかなか長めのソロパートを太智くんが担当するなど、この曲は初っ端から「かすかに、君だった。」で出番が少ないと嘆かれた2人が持っていく構成になっています。
それに対して、歌の主力メン4人、特に仁人くんと勇斗くんの出番がかなり減らされています。この2人は主力4人の中でも特に安定タイプで重要パートを担うことも多く、現体制ではパート振りが多いのが常なので、かなり珍しい構成ではないでしょうか。
安定感というよりは遊び心が重要であろうこの曲だからこそ、できたことなのかもしれません。パート振りまで遊び心満載で、聴いていてとても楽しかったです。

 

 

 

 

 

ここまで4曲の感想を書いてきましたが、全体的に感じたのは、曲中のソロパートの比率が高くなったこと、歌の主力メン以外にもどうにか出番を作ろうと努めていることです。
つまり、メンバーの歌声の個性を生かそうと努めているように思います。

M!LKは旧体制のときは、卒業してしまった山﨑悠稀くんが歌の中心で、彼ありきとして作られた曲が多かった印象でした。
メンバー全員がソロパートを持つ曲は多くなく、そんな中で悠稀くんはほぼ必ずソロパートを持つメンバーで、他にソロパートを持つのはあと1人か2人程度ということが多かったと思います。
サビだけでなくAメロBメロもデュエットパートだけで構成され、ソロパートが作られるのはラストサビ前のみなど、曲中のほんの一部だけなんてザラでした。
これは、悠稀くんが他のメンバーみんなが敵わないほどの歌唱力を持っていた上、他のメンバーにない特徴的な歌声をしていて存在感がずば抜けていたからこそのやり方だと思います。これもやり方としては1つの手です。

しかし、今のM!LKはそうではなく、(実力や声質によって多少の偏りはあるものの)各メンバーに1人だけで歌う機会を多く与え、メンバー全員の声の個性を存分に生かそうとしているように思います。
旧体制終盤では悠稀くんと並んでソロパートをもらうことが多かった仁人くんなど、歌に安定感があるメンバーは今のM!LKにもいますが、悠稀くんほどのカリスマ性のある歌手は今のM!LKにはいません。
だからこそ、誰か1人だけを特別目立たせるのではなく、今回のシングルのように曲によって主役を入れ替え、それによって主役の声の良さやキャラクター性を生かした曲を作ろうとしているのだと思います。

ここに来てようやく全員が歌うグループとしての良さが生かされ始めたなと…
また、これによってM!LKの当初からのコンセプトである「変幻自在」が体現しやすくもなったでしょうし、良い方向に向かっているな、と感じました。

 

それと、今回は全体的に追加メンバーをフィーチャーしたシングルだなとも思いました。*9
3人がM!LKに加入して約1年。彼らの魅力がわかってきた今だからこそ作れたもので、音楽スタッフさんの「追加メンバーも既存メンバーに負けてないんだぞ、見てろよ」といったような、彼らへの愛を存分に感じられるシングルでした。

既存メンバーのファンからは様々な意見があると思いますが、私は旧体制時代からM!LKを推している既存メンバーファンとして、このようなシングルを出してくれたのを嬉しく思います。
今回のシングルを聴いて追加メンバー全員の頼もしさを感じましたし、M!LKに入ってきたのが彼らでよかったとも思いました。
追加メンバーより前からいるメンバーを大切にしてくれ、もっと出してくれという意見も見かけましたが、私はそれは少し違うと思っていて、むしろ既存メンバーを少し焦らせるくらいの活躍ができるメンバーでなければ途中加入なんてする価値がないと思っています。
バックダンサー程度ならわざわざ加入せずとも、研究生の立場のままで務められますからね。その程度の存在ではないからこそ、あの3人はメンバーとして迎え入れられたわけで。
だから、今回のシングルで彼らが立派な1人のメンバーとして頼もしさを見せつけてくれて、私はすごく嬉しい。

もちろん、既存メンバー4人にはこのままで終わってほしくはありません
この次には是非、既存メンバーが思いっきりフィーチャーされた曲を出してほしいなと思います。
今度は太智くんメインのバラード調の曲とか、瑞生くんに思いっきりシャウトさせるような勢いのある曲とか、逆に安定歌唱メンである仁人くんと勇斗くんのソロパートが大半を占める曲とか、あっても面白そう、なんて。
活動歴の短さを感じさせない、優秀な追加メンバーに負けていられないと闘志を燃やして、既存メンバー4人にはこれからも頑張ってほしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:追加メンバーを迎え入れ7人体制となってからは2枚目のシングル

*2:それも恋愛関連とは限らず、様々な意味に取れる

*3:舜太くんは締めのソロパートをもらっていたこともありまだ目立ったほうでしたが

*4:オクターブ下で柔太朗くんがハモりを、また後半から勇斗くんとのデュエットパートになっている気もする

*5:ラストサビ前、ラストサビ頭のソロなど。前体制では山﨑悠稀くんが担当することが多く、現体制では仁人くんが担当することが多いです

*6:具体的に言うと「Over The Storm」の「OK?」や、「ジャングリズム」の締めパートなど

*7: https://natalie.mu/music/pp/milk10/page/4

*8:1番Bメロはソロパートがない上、2番Bメロと曲調も少し違う

*9:いっそ追加メンバー3人の主役曲をすべて表題曲にして、「かすかに、君だった。/Gotta Get Up/MAGIC CARPET」という形でトリプルA面シングルにしちゃうのもアリだったんじゃないかとも思ったり